2024.05.19
92号:会いたい!湯島本郷まちの人
1909年(明治 42 年)に呉服関係の糸を染める工場として創業し、今は縫製済の衣類に特殊な染色及び脱色を行い、新たな価値を生み出す「製品染め」の会社です。今年でちょうど115年目を迎え、 私が3代目です。
わが社は、ポリエステル等の合成繊維含むほとんどの素材を染めることが出来ます。培ってきた「技術」と最新の「設備」で、お客様の様々なリクエストに応え、魅力的なファッションへ変えていきます。
だから、皆さんがよくご存じの有名ブランドさんや、アーティストさんの衣装、舞台の衣装などの依頼も多く携わらせていただいております。
1つ目は、東京のど真ん中にあるという立地です。アパレルさんと近いので、急な対応や何度も確認が必要な場合でも早くスムーズにやりとりする事が出来ます。
2つ目は、30代・40代の若い職人が多いことです。 彼等は、お客様であるデザイナーさんと感覚がとても近いので、デザイナーさんが求めるアイディアを二人三脚で具現化していく事が出来ます。
デザイナーさんから「そうこんな感じが欲しかった」、「想像していたより良い!」などの意見をいただく瞬間がとても嬉しいです!!
3つ目は、培ってきた職人技とハイテクマシンの最先端技術の融合です。お客様の拘りに「職人」が徹底的に向き合い望む色に染めていきます。望む作品になるまで何度も繰り返します。
その裏には、ハイテクマシンの存在も欠かせません。例えば、色をコンピュータで調合したり、環境に配慮し、熱交換の仕組みを利用して排水の温度を下げて、 そこで吸収した熱を利用して温めたぬるま湯をボイラー給水に使用するなどして省エネにも努めております。
デザイナーさんが求めるアイデアを具現化する
職人技とハイテクマシンの最先端技
使い古された古着やデッドストック
以前に白山御殿町青年部の会長を務めました。お餅つきや納涼会がとても楽しかったです。 また、2022・2023年には〝小石川植物祭〞に参加させていただきました。
1年目は桜の枝を、2年目は銀杏の葉を使用した染物の体験を行いました。 ワークショップに訪れた子供たちの笑顔が印象的でした。トートバッグなどの販売もしました。今年もやれたら良いな、と密かに思っております(笑)。
現在、国内の染色工場が減少しています。また衣料の環境問題もあり企業は最低ロットでの生産となってきています。現在デザイナーさんと協力し、使い古された古着やデッドストックを利用し、「ウチダダイイングワークス」と言うブランドで「新品よりおもしろい」 をコンセプトに、内田染工場らしい新たなアップサイクルにも取り組んでいます。
また、今後は徐々に国外の需要を掘り起こしていきたいとも考えたています。 先日もイタリア・フィレンツェのピッティウオモとフランス・パリの展示会に出展して弊社のサンプルを展示、好評を得ました。
日本の良い素材、良い染色技術を多くの方に知ってもらえたら、必ず新たな需要が生まれると信じています。まだ少ないですが、いくつか海外からもオーダーが入ってきておりワクワクしています。
そして今後、最も力を入れていきたい事は、依頼を受けて仕事をするだけではなく、「デザイナーに選ばれる」工場となり、さらには我々から「提案する」工場になる事です。
私は社長ですが、「提案する」営業マンとして、染める技術の素晴らしさを多くのお客様に「発信」をし、「東京から世界を染めていきたい」ですね。
株式会社 内田染工場
〒112-0001
東京都文京区白山3-5-2
tel.03-3811-8512
www.uchida-d-works.co.jp