まちの人 alt

2022.11.20

株式会社夏目製作所 代表取締役 夏目 知佳子さん

83号:会いたい!湯島本郷まちの人

ウサギのロゴマークと鯉の泳ぐ池でおなじみの夏目製作所の4代目社長・夏目知佳子さんにお話を伺いました。

湯島の角地で75年以上の歴史
人と動物にやさしいものづくりでライフサイエンスの未来に貢献を

夏目製作所について教えてください

 動物実験用の機器を製造・販売している会社です。祖父が創業して私で4代目、おかげさまで昨年75周年を迎えました。
 動物実験と聞くと「かわいそう」というイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれません。薬だけではなく、新しい術式や医療機器などを開発するために動物実験は欠かせないものですが、実際にどのように行われているのか、業界外には伝わっていないと思います。「動物福祉」や「環境への配慮」といった観点も大切にしていますが、自分たちがわかっているだけではダメで、伝えていく必要があると感じているところです。
 私達のお客様は「夏目製作所の製品が欲しい」と思って購入しているのではありません。新しいものを生み出すための基礎研究や、安全性を確かめるための地道な研究を行う中で、データを集め、論文を書くための手段として、私たちの製品を使ってくださっています。ですので我々の仕事は、機材を売ることではなく「研究のお手伝い」だと思って、 日々の業務に取り組んでいます。 

海外留学していたと伺いました

 そもそも家業を継ぐ考えはなく、進学先として選んだのはニュージーランドの大学でした。そこで動物の保護や環境問題などを学びました。また、世界中から集まった留学生と一緒に寮生活を送っていたのですが、みんな伝えたいことを堂々と話すんです。文法や発音の正しさの前に「伝えたいことがあるほうが大切だし、それでコミュニケーションも成立する」ことを実感しました。
「絵描き歌」みたいに、まず全体像を捉えて「どう伝えたら自分の思い描いている絵を相手にも描いてもらえるのかな?」という視点を持てるようになったのは、7年弱のニュージーランド生活で得た感覚かもしれません。 

創業当時の集合写真

1962年頃の社屋

ニュージーランドでの生活

ワーキングマザーだと伺いました

 小学校1年生の双子がいます。仕事と育児の両立は大変そうだ言われることもありますが、いろいろな方に支えていただきながらやっています。子供たちも成長するにつれ、二人で遊んでくれるようになったところも助かっています。 公私共に、「無知の知」を意識しています。例えば、家事や育児のことも、経理や技術のこともプロフェッショナルではない私には、足りないところがたくさんあることを自覚しています。そこを補うために、得意な方のお力を借りて補なっていこうという考え方をしています。

湯島・本郷地域について一言どうぞ

 戦後の焼け野原だった時代から、ここ湯島で事業を続けることができています。当時の思い出や誇りについて、先代達からも聞いており、地域の中で育まれてきた会社であることは私自身も大切に感じています。
 そして、湯島と言えばやはりお祭りですね。私自身は向丘で育ち、母の実家は神田辺り、父の実家は湯島だったので、 根津神社・神田明神・湯島天神、この3 つのお祭りを楽しみに育ちました。最近はコロナの影響で催しものが少なくなったことを寂しく感じています。つながりを大切にする地域に根差した企業として、まずは社員や関係者の皆様に誇りに思って頂ける企業を目指していきたいと思います。

多数の製品ラインナップがあります
株式会社夏目製作所

株式会社夏目製作所
〒113-8551
東京都文京区湯島2丁目18番6号
TEL. 03-3813-3251

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