まちの人 alt

2022.03.20

青山花壇株式会社 代表取締役 笹木 ナオミさん

79号:会いたい!湯島本郷まちの人

脱サラして起業し、法人向けのお花屋さんを経営する一方で、秘書のためのWEBサイトを花屋で運営しているんです。そんなバイタリティあふれるの笹木さん(根津在住)にお話を伺いました。

秘書のためのWEBサイトを通じて、正解のない仕事に向き合う秘書さんたちが、もっと活躍できる社会を作っていきたい

 お仕事について教えてください

 青山花壇という法人向けに祝花を販売するお花屋さんを経営しています。2016年までは楽天で役員秘書をしていて、業務でお花の発注をたくさんした経験があったんです。だからお花屋さんだったら独立しても大丈夫じゃないかと思っていたんですが、発注側と受注側とでは大違い。小売りの経験もなく、流通や業界の仕組みもわからないことだらけで、最初の一年は苦労しました。
 オフィスでのお祝い事に贈っていただく花なので、売上の約6割は胡蝶蘭が占めています。弊社の取り扱う胡蝶蘭は、障がい者の自立支援をしているNPO法人アロンアロンさんが栽培する高品質の花です。品質はもちろん、弊社から胡蝶蘭を買っていただくだけでハンディキャップを持つ方の収入につながるため、社会貢献に関心の高いお取引先に好評をいただいています。

秘書さんのためのWEBサイトも運営しているそうですね。どういう経緯から始めたのですか?

 法人向けのお花を取り扱うので、企業へ営業に行くようになりました。お花の発注は秘書さんが担当していることが多いので、私も前職は秘書だったことをお話すると、その場で悩み相談をされることがあったんです。経営者は孤独だといいますが、実は秘書も孤独な立場になることが多いんですね。私は業務上の立場がわかる社外の人ということで、正解のない秘書という仕事の悩みを話しやすかったのだと思います。そのうち秘書さんのお悩みには共通点が多いことに気づきました。
 また、総務や人事といった部署の業務情報はネットで探せるのですが、秘書の業務に関するサイトはなかったんです。この時代にネットで情報が調べられないこともあるんだとビックリしました。ないのであれば私が作ろうと思って立ち上げたのがHisholio(ヒショリオ)という秘書向けのコンテンツを集めたWEBサイトです。

それはやりがいがありますね

 このサイトを通じて、秘書の社会的な地位の向上を目指せないだろうか、と考えるようになりました。秘書というだけでジェンダー的にネガティブなイメージを持たれることもあるんです。事務職ゆえにお給料の水準も低めですが、柔軟な対応力が求められる難易度の高い仕事ですので、プロフェッショナルとして評価される社会にしていきたいんです。
 そのためには、孤立するのではなく、同じ志を持つ仲間を集めて社会的なムーブメントにしていけたらと考えています。「秘書」という名前を別の名称にしたり、前向きな理念を掲げることも必要だと思います。今年はその最初の一歩を踏み出す年にしていきます。横のつながりを深めるコミュニティを作り、みんなが自分の体験をシェアすることで元気になれる場所を提供する計画を立てています。

秘書向けコンテンツを集めたサイト

横のつながりを深めるコミュニティ

最後に地域への思いをお願いします

 独立をきっかけに人の温かみを感じる街に住みたくて、文京区に移ってきました。縁もゆかりもなかった場所でしたが、すごくいいところでとても気に入っています。漱石など文豪ゆかりの場所を歩くのも楽しいし、アメ横や谷根千などお散歩ルートがたくさんあるところもいいですね。人があたたかいこの街が大好きです。

青山花壇株式会社
〒107-0062
東京都港区南青山3丁目1番3号 6階
TEL. 03-6450-4022
https://www.aoyamakadan.com/

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