2020.07.19
69号:会いたい!湯島本郷まちの人
消防団員は、18歳以上の健康な方なら誰でも入団できて、その地域に関わる人たちで構成されています。
ふだんは、地域の皆さんを火災から守るための予防や訓練をしています。いざ災害が発生した時には、消防暑の職員と一緒に消火や救助活動を行うことが、消防団員の役目です。特別職の地方公務員という位置づけになっていて、制服などの貸与もあります。
消防団員は、地域のいろいろな方で構成されているので、それぞれ性格も違うのですが、街の役に立ちたいという心構えは、団員全員に共通しています。
生まれも育ちも文京区の本郷です。文京区立真砂小学校(平成10年に元町小学校と合併して本郷小学校に)から、本郷台中学校に通いました。
実家は125年続く酒屋を経営していて、今でも同じ場所にお店があります。コロナの影響で「家飲み」が流行っていますが、うちのお店「河内屋」は、日本酒の試飲ができるのが特徴なので、どうぞお気軽 にお立ち寄りください。
わたしが消防団員になったのは35歳のときでした。隣の豆腐屋のおやじさんに誘われて入団したんです。それ以来34年間、消防団員の活動を続けていて、分団長を務めるのは3年目になります。
当時の消防団の先輩はとても厳しくて。 入団してすぐに可搬ポンプ操法の大会に出ることになったのですが、その訓練のため、3週間ほど毎晩毎晩、遅くまでしごかれたものです。そんな経験がなかったので大変でしたが、今ではとてもいい思い出です。
地域の人を守る教育活動の一環として、本郷1丁目にある都立工芸高校や、区内の小中学校に応急救護や防火訓練の指導を行っています。また、町会とも合同で訓練を行うこともあります。
最近は台風の被害も大きいので、落ち葉の季節には排水溝のゴミをキレイにそうじして、いざという時のために備えています。 ふだんは第3水曜日の夜9時から10時の会合を真砂図書館の隣で行っていましたが、今はコロナの影響で集会をすることも難しいですね。
以前と違って最近は火災が減って大きな火災は、年1回あるかないかだから、特に大きな苦労はないのですが...。とはいえ、いざ火事になると、営業中でも現場に行くことに。日ごろの防火活動には力を入れたいところですね。
あとは、若い方は肩に力が入りすぎて、 無理をしがちなところがあります。防火活動は危険と隣り合わせなので、「怖さを忘れないで」と団員に伝えています。
消防団に入って、街の見方も変わりました。たとえば行き止まりの先に住宅があると、火災の時にはどう動いて救助に向かおうか、といった防災の目で街を眺めるようになりました。
悩みは、若い方と、女性の団員が少ないことです。ときどき、本郷3丁目の交差点に立って、新規団員の募集をしているのでぜひ来てください。
この地域に住むいろいろな人が活躍しています。それぞれ会社勤めをしていたり、自営をやっている方や、学校の先生もいます。大学生も3人、人数は少ないけど女性もね。災害が起きたとき、被害にあうのに性別は関係ありません。救助活動を担う消防団邑には女性の力も必要なんですよ。
消防団の活動は、会社や仕事の人間関係とは、一味違った絆を作れます。お互いが信頼しあわないと災害救助もできません。みんな「地域を守り、地域に貢献する」思いでつながる仲問です。関心のある方は、東京消防庁の行事に参加したり、消防署に問い合わせをしてみてくださいね。