2024.03.17
91号:グルメ
東大正門前で1948(昭和 23 )年から営業している「㐂鮨」の梅本さんからお話を伺いました。
はい、戦後の混乱期に、とても骨董品を売れるような状況ではなくなったので、飲食店に変更したのが「㐂鮨」の始まりです。この店舗は大正5年の建物で、関東大震災の時も崩れておらず、この辺一帯はほとんど被害がありませんでした。はす向かいの大西質店はさらに古くて、明治時代に建てられたものです。かなり昔ですが、 作家の徳田秋声さんも近くに住んでいたと聞きました。
アワビやサザエの煮物、ナマコのポン酢など今回紹介した5種類の小鉢は、すぐに支度ができます。普段は珍味だけでも 10 種類位ご用意しています。お寿司の中でよく注文を頂くのが、アナゴやマグロです。主に魚介類は豊洲で調達しており、マグロは明治時代から続いている仲卸店「樋長」さんで生の本マグロを仕入れます。
日本酒は 40 種類くらい常備しております。春には各蔵から登場する搾りたて生原酒を提供いたします。
常連の先生方がご自分で書かれた本や、近くの出版社のお客様が編集した本など、持って来てくださった書籍が中心です。お客様は場所柄、東大関係者が多いですね。教授に連れて来られた学生さんが大手企業に就職して、この場所を接待に使って下さることもありますよ。銀座あたりと比べると品質は変わらないのに値段も手ごろなので、気軽に来ていただければありがたいです。
大正5年の建物の外観は歴史と風格さえ感じます
豊洲の仲卸から仕入れる最上級ネタ
㐂鮨に足を運ぶ有名人の書籍が並ぶ