2023.05.21
86号:グルメ
神田明神近くで、文京区と千代田区の境目にある「神田小松屋」の辻さんからお話を伺いました。
30年近く前に、アメリカで流行しているセルフサービスのカフェが日本にも上陸すると聞き、喫茶店が衰退するのではないかと思い、業態をラーメン屋に転換しました。はじめは「しょうゆラーメン」など数種類しかなかったのですが、お客様の意向で徐々に増えていき、今ではおつまみやお酒も置いています。連休明けからは夏季限定の「冷やしつけ麺」も、始めました。
飲食業界がヘルシー志向になりつつあった頃、「身体に良さそうなラーメンを」と考えて作りました。鶏ガラなど数種類をコトコト煮たスープに、自家製ごまだれをたっぷり加えたラーメンです。最初は夏だけのメニューでしたが、お客様のご要望が多くてレギュラーになりました。自家製香辛料(潮州ラー油をベースに炒った小エビと揚げネギを細かく砕いたものを加える)を入れた「からごま」、お酢を入れた「すっぱからごま」。さらにつけ麺・・・・・・とレパートリーが増えましたね。
実は「しょうゆラーメン」や「元祖ごまラーメン」にレモンを入れるお客様が多いのですよ。レモンの中にはリモネンという成分が入っているのですが、出汁に含まれるグルタミン酸などのうま味成分とすごく相性がいいのです。お客様には、「胡椒を多めに入れると美味しいですよ」とお伝えしています。
ご夫婦で営む老舗ラーメン店
ラーメンのレパートリーは多い
喫茶店だった昔の面影を残します