2022.11.20
83号:グルメ
昭和6(1931)年に創業し、多くの食通から愛され続ける「板倉茶屋要」 の佐藤さんからお話を伺いました。
最初は祖父(宮内庁大膳職に奉職していた佐藤要祐氏)の名前を取って「要」で商売していましたが、戦後すぐの頃に板倉摂津守の子孫のお客様が、 ふらっとカウンターにお見えになりまして。板倉家の中屋敷がこの場所だったので名前を残して欲しいと、その方から頼まれたのですね。それで、 現在の屋号になりました。
木造の一軒家から改装したのは、 平成初期です。欄干など残せるものは改装前に取り外し、現在も使っております。
今は松茸の時期ですので、土瓶蒸しはおつゆの美味しさと松茸の香りを味わっていただきたく調理しています。八寸は甘鯛の丹波焼を中心に海の幸・山の幸を一皿の上で季節を楽しめるよう、趣向を凝らしております。
仕入れからお客様に提供するまで、私たちの目で確かめることを心がけており、ベースとなる部分は、祖父のレシピを継承しています。
近くには独居老人の方が結構いらっしゃいますが、個人情報保護法の制約がきついので、所在が明かされません。悲しい話ですが、もしも大きな事故や天災があって行方が分からなくなった時、町会としてはたして何が出来るのか。地域の仲間にも協力してもらい、そういう方々を少しでも守れたら、と真剣に考えるようになりました。
彩り豊かで季節感溢れる八寸
土瓶蒸し
格式高い個室部屋のみの静かな座敷