2022.05.15
80号:グルメ
西片交差点近くにある「石井いり豆店」で、お話を伺いました。
初代の石井増次郎が浅草で修業をしてから、ご縁があってここで開業をしたと聞いています。代々家族で営んできて、私で5代目です。いり豆(落花生、大豆、そら豆)は、創業当時からずっと扱っております。だんだん種類が増えて、季節にもよりますが、現在は30種類程を扱っています。豆の甘味が感じられる落花生、スパイシーなカレー豆が特に人気です。 何代にもわたるお客様に加えて、最近は手土産や口コミがきっかけで遠方からのお客様も増え、ありがたい限りです。
生のお豆を、店内にある「振り網」 といわれる機械に入れて煎っていくのですが、落花生だと20分前後、大豆だと一晩水に浸してから1時間半かけて煎ります。香りや色で煎りあがりのタイミングを見極めてから、大ざるに移します。それから豆の選別をし、冷ましてから袋詰めをします。工程はシンプルですが、煎る人によって個性の違いがあり、奥深いところです。
永年お世話になっているお客様や地域の方々との関係を大切に、末永く商売を続けていけたらと思います。 私も3代目の祖父から「5代目、5代目」とかわいがられて育ってきたので。 そういえば、初代(江戸時代末期)から自分の代(平成)まで、全員生まれた元号が違います。さらに、今年の2 月に娘が生まれたので、後を継いでくれたら嬉しいですね。
遠方のお客様も「煎り豆」を購入
生のお豆を「振り網」で煎る
初代~5代目まで家族で繋ぐ老舗