2022.05.15
80号:グルメ
湯島天満宮すぐ近くの「鳥つね」さんに、 数年ぶりに取材に伺いました。
一昨年の6月に父から引き継ぎ、 4代目になります。学生時代から忙しい時期に手伝ってはいましたが、大学を辞めてから、本腰を入れて働くようになりました。 曾祖父の山本常造が、1912年に鶏肉の販売を湯島天神下で始めたのが、当店のルーツです。飲食店に転じたのは2代目からで、現在では昼は上親子丼、夜はそれに加えて鳥鍋や地鶏のコース料理などを提供しております。
湯島が花街だった頃は、親子丼は出前で注文を取っていた、と聞いています。時間がたっても美味しく召し上がれるように、割下を多めにしていたのが、当店の伝統のひとつです。材料が鶏肉(その時、一番良い状態のものを仕入れています)と卵、割り下と三つ葉のみなので、あまり手を加えず、素材を生かして調理しています。お肉は煮すぎず、卵がトロトロになる火加減を意識しています。卵は兵庫県の「日本一こだわり卵」を1杯の丼につき、2~3個を使っており、その卵は店内でも販売しています。
目の前のことで精いっぱいではあるのですが、日々の努力が積み重なった結果として、この先何十年も続いていけたらいいですね。父の熱心な仕事ぶりをずっと見てきたので、比べるとまだまだ……と感じます。老舗の良さを残しつつも、時代に合わせて新しい事も取り入れていけたら、とも思います。これからも「鳥つね」を宜しくお願い致します。
湯島天満宮から程近い
落ち着きのある店内
お肉は煮すぎず卵がトロトロの絶品