2024.01.21
90号:紗都ちゃんの寺小屋ばなし7
講安寺住職、両門町会町会長 池田紗都さん
「元日に発生した能登半島地震では多くの方が亡くなられ、未だ多くの安否不明者のニュースが流れております。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げると共に、一刻も早い復興を心より願っております。」
一月二月三月は「行く、逃げる、去る」とよく言ったもので、あっという間に過ぎていきます。最近、人間の身体の神秘について昔よりも感心することが多くなりまして、知識もないのにあれこれと考えては最終的には「凄いもんだ」と感想を述べて終わってしまうだけですが。当たり前のことですが、私たちの身体はこの世に生を授かった瞬間から心臓は休むことなく動き続け、筋肉は収縮を繰り返し、血液も留まることなく流れ続けています。人間の身体には無駄なものが一つとしてなく、その機能はAIを駆使したとしても到底到達できるものではありません。この素晴らしい身体は誰もが、星野源さんの歌のように「二人から~」授かるものですが、その二人にもそれぞれ「二人から~」が存在し、そのまた先と辿っていくと10世代前は凡そ千人の存在があります。その方たちは自分の「先祖」ですね。遡っても自分の三世代前くらいまでは繋がりを感じることはあっても、さすがに星の数ほどのご先祖を日々感じることはなかなか無いと思いますが、仏教では、その繋がりを「因縁」と考え、命の有難みと受け取ります。
「一人の私の血のなかに 何千何万の祖先の血が流れている だからこそ 私は今 ここに生きている 祖先の人生をすべて 生き繋いできたはたらきを 因縁という」
私の肌、骨髪、爪、全てが、ご先祖の人生のかけらだと感じることは、神秘そのものであり、自分を大切にするきっかけになると思います。因縁を悪い意味で使うこともありますが、是非、善い意味としてご先祖が繋いできた因縁を大切に過ごして下さい。