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2023.07.16

「本当の友人とは」

87号:紗都ちゃんの寺小屋ばなし4

講安寺住職、両門町会町会長 池田紗都さん

 「友人」はいますか?子供の頃の友人と大人になってからの友人では少し意味合いが変わると感じることもあるかと思います。人生において「友人」は、人生を豊かにしてくれる大切な存在ですよね。本当の友人とはどういった存在なのでしょうか。
 自分を高める為に目標に向かって努力する、自分を振り返り反省をする…お釈迦様は、自分の欠点を知らせてくれる人こそ必要だと説いて下さいます。「聡明な人に会ったならば、その賢い人につき従え、そのような人に従うならば、善いことがあり、悪いことは無い」 誰でも欠点を指摘されれば嫌な気持ちになりますよね。 腹がたったり、落ち込みますが、自分を見てくれているからこそわかることなのです。褒めてくれる人だけでなく、自分のことを思って欠点を教えてくれる人こそ、大切にすべきです。仏教では「善き友」「真の友人」のことを「善知識」と呼びます。仏教の正しい道理を教え導いてくれる人です。 有名な仏教図に『二河白道』 がありますが、この絵にも「善知識」が描かれています。 『二河白道』には善知識の助けがあって進むことができる人間の姿が描かれています。 私達人間の住むこの世界は欲があふれる娑婆世界であり、苦しみや不安や悪しき誘惑が絶えないからこそ、自分を間違いから正してくれる存在に気づき、大切にしなければならないのです。本当の「友人」とは、楽しい時に共有できる相手よりも、苦しい時や困った時に助け合えたり、 自分の欠点を教えてくれる相手ではないでしょうか。私は僧侶の道を志してからそれまでとは全く違った友人を持つことができました。私も誰かの善知識となれていれば幸せです。

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