コラム alt

2023.05.21

「悪口」の斧が他人と自分自身も傷つける!

86号:紗都ちゃんの寺小屋ばなし3

講安寺住職、両門町会町会長 池田紗都さん

 批判と悪口は、どう違うでしょうか。皆様はどう思われますか? 【批判】の正しい意味を広辞苑で調べますと「物事の真偽や善悪を批評し判定すること」とあります。対して【悪口】は「人を悪く言うこと」とあります。世間を賑わす事件や政治家、著名人の発言などに対して今やSNSでは批判の嵐ですが、中には【悪口】ととれる大人げない行為も多々見られますね。仏教では【わるぐち】とは呼ばず【あっく】【あっこう】と言いまして、十悪の一つとされています。お釈迦様は、「人が生まれたときには実に口の中に斧が生じている。人は悪口を語って、その斧によって自分を斬るのである」と説かれています。悪口を言われた人は苦しみ、また言って人を傷つけてしまった人自身も、自分の心を汚すことになるのです。つい頭にきてしまって悪口を言いたくなることは誰にでもあることですが、そんな時は一旦思い出してみて下さい。自分の口の中に、斧が在るということを。
 【批判】は、相手の為になることもあると思います。それは、善し悪しを見極めるという観点から起こることであり、相手を傷つけようという観点ではない故です。お釈迦様が説かれた悪をおかさないように、口を開くときには気を付けなければなりませんね。なかなか難しいですが(笑)他の十悪についてはまたお話しできます時にさせていただければと思います。

TOPへ