2022.07.17
81号:まちラボプロジェクトレポート
文京学院大学人間学部人間福祉学科 青木通さん
核家族化が進み、独居する高齢者や両親の共働きにより放課後家に帰っても大人がいない子どもたちが増えています。また、人と人とのつながりの希薄さから災害時における地域の防災機能、犯罪や事故に対する地域の防犯機能も低下しているといえます。このため、都市部においてはコミュニティの形成が重要であり、多世代の交流を深めていく地域活性化策が求められています。特に、スポーツを活用した取り組み事例は数多く報告されており、いずれも地域住民の健康づくりと世代間の交流が意図されていると点と地域住民が主体的に運営参加できる点に共通点があります。
本プロジェクトにおいては、どの世代においても実施率が高いウォーキング、ジョギングに着目し、「まちラボをスタート、ゴールとしたマップ作りに取り組んでいます。「まちラボを起点とした理由には、人が集まる拠点にしたいという意図があります。
これまでの活動で設定したコースは、「後楽園・小石川」 「千石・白山」「本駒込・千駄木」「根津・湯島」の4エリアから構成され、一周約5㎞の周回コースになっています。そして、 今年度からはショートコースの設定を行っており、コースの多様化を図っています。
学生目線ながら、地域住民にとっては居住地域の魅力を改めて実感することができ、また、初めて文京区を訪れた人にとっては区内の文化的特性にふれ、楽しみながら実践できることを念頭においています。 また、「健康づくり」の観点から運動効果を把握しやすくするために、歩数、消費エネルギー量を参考値として提示しています。
最近では、歩数を貯めることによってポイント還元できるアプリも登場していますので、今後はこのようなアプリと連動したウオーキングプログラムを検討することが一つの課題です。また、地域住民が主体的、積極的、継続的に参加できるコース情報の発信とウォーキングイベントの開催をしていきたいと考えています。